言問ねこ塾長日記

言問学舎舎主・小田原漂情のブログです。

Vol.328 国語のアクティブラーニング 「真の国語」のありようについて

2024年01月30日

 令和6年能登半島地震でお亡くなりになった方々を衷心よりお悔やみ申し上げます。地形の問題などで救援、復旧が思うにまかせないという報を見るにつけ、胸が痛むばかりですが、一日でも早く被災した方々のお身の回りが安全なものとなるよう祈念致します。 


 言問学舎を経営し、「真の国語」を教えて来て二十年。「真の国語」とはいかなるものか。それは端的に言えば、正解の見つけ方を学ばせるのでなく、文章の本質を読みとる力を育み、さらに学習者自身の人間性をその本質と向き合わさせ、その上で自分の考えをまとめて表現できる力を育てることである。このことと、受験で高い得点を取ることは別のことと考える人が多いかも知れないが、言問学舎では創業当初からそれを両立させ、多くの卒業生が感謝の言葉を寄せてくれている。一人の言葉をご紹介させていただきたい。

<私は小学校時代から、ずっと言問学舎に通いました。言問学舎の真価はひと言でいうと、大学受験の勉強をしていながら、「受験勉強オンリー」ではなく、真の学力、教養が自分の身についたと感じることです。大学受験の評論文の勉強をする時でも、先生は、大学進学後の勉強を見すえて、いろいろな考え方や基礎知識も、教えてくれました。もちろん受験勉強としても、ここで国語の勉強をすれば、国語は平均して点が取れるようになるので、志望校合格を強力に後押ししてくれるようになりますよ。>

 また、先述した「真の国語」を実践するための教材として、『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』シリーズを2019年3月から出版しており、新たなシリーズ化の可能性を持つものとして、昨年、2023年5月に『スーパー読解「舞姫」』を出版した。「スーパー読解」シリーズとして刊行することをまだ正式決定してはいないが、構想として、まず来年あたりに『スーパー読解「山月記」』をやってみようかというプランは持っている。

 『音読で育てる読解力』、『スーパー読解』シリーズいずれにも共通することは、@文章を音読し、「音韻」から文章の本質をつかむこと、A学習者(読者)が自身の人間性を向き合わせる手がかりを、「(スーパー)読解シート」によって差し出すこと、の2点である。

 ここでいう「音韻」とは一つ一つの言葉が持つイントネーションやリズム、手ざわりを総合したものであり、すべての言葉が固有の「音韻」を有している上、また文章ごとに異なる言葉の組み合わせが異なる「音韻」を生み出しているわけだから、その「音韻」から生まれる力が、それぞれの文章が持つ「強弱」や「訴求力」となっているのであって、音読によってその「音韻」をつかむことができると、それぞれの文章の持つ力がよりよく理解できる。それが音読の効用の最大のものである(ほかに誤読の防止、文学的文章なら作中の人物の気持ちを知ることができる、などいくつかの効用がある)。

 そして、音読によって文章を味わうことができても、文章の内容を自分に引きつけて自分のこととしてとらえるためには、手がかりが必要である。多くの子どもはその手がかりを自分で見つけることができないから、読解、もしくは感想文が苦手だと思っているのだが、それは適切な手がかりを差し出してあげることで解決できる。そのために大きな効果を発揮するのが「(スーパー)読解シート」なのである。

 言問学舎ホームページ「ひろく一般のみなさまへ」で先日お知らせしたが、『スーパー読解「舞姫」』で勉強した今年の高校3年生の一人は、大学入学共通テストで200点中173点をマークした。また高校2年生の一人は『スーパー読解「舞姫」』で勉強し、200字×20枚の読後レポートを書き上げたほか、冬期講習ではじめて挑んだ大学受験用「ターゲット現代文」中堅私大用の一つの問題で50点中50点、もう一つの問題で50点中45点という結果を出した。スーパー読解シートで『舞姫』を深く読みこんだ経験は、「共通テスト型」の、読者の考えについて正答を選ぶ問題や複数の生徒の意見から適切なものを選ぶ問題などを苦にしないし、『舞姫』を深く読みこめば論説文の読解力も向上させることができるという当方のねらいを、高2の生徒もきちんと実証してくれたのである。

表1スーパー読解『舞姫』表紙_ページ_1.jpg

 今年4月を目標に、『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』の中・低学年用完結編「小学2年生〜4年生対応3」を刊行し、同シリーズの高学年用3巻、中・低学年用3巻を発行し終えて、シリーズを完成させる計画である。言問学舎の「真の国語」が、その主たるコンテンツの第一弾『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』を完成させ、さらにステップをすすめていく、ことし令和6(2024)年であることを、1月の終わりではあるがお伝えさせていただく次第である。

【表紙01】登録用 (002).jpg

※言問学舎で国語ほか(小学生4科、中・高生5科)の勉強をしたいとお考えのみなさまのための入塾説明会を、2月も随時開催致します。詳細は下記リンクよりご確認下さい。次回開催は2月3日土曜日(09:45〜/18:45〜の2回)です。
https://mbp-japan.com/tokyo/kotogaku/column/5153640/ 2月期説明会・前半日程のご案内

◇電話番号は以下の通りです。 
03‐5805‐7817 舎主・小田原漂情までお願いします。
メールはフォームよりお願いします。

言問学舎の生のすがたは、こちらの動画からもご覧いただけます!
https://www.youtube.com/watch?v=c2OdlIl8T44

国語の勉強をお手伝いする国語専門サイト・国語力.com
http://www.kokugoryoku.com
posted by hyojo at 19:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 言問ねこ塾長日記

通番外 被災地の皆様にお見舞いを申し上げます

2024年01月03日

 元日の夕刻、能登半島で起きた最大震度7の大地震により、能登半島先端の珠洲市では、昨日市長から「市内の9割が全壊か、ほぼ全壊」という発表があったほどの、深甚な被害が生じているようです。輪島市のビル倒壊は当日からニュースで報じられておりました。今日の朝刊で、石川県内では55人の方が亡くなられたとのことでしたが(さらに増えている模様です)、加えて能登半島が大雨に見舞われるとの予報も出ています。被災地の方々に衷心よりお見舞いを申し上げ、守れる命を守っていただくとともに、一日も早く生活が旧に復するよう、祈念するばかりです。

2024年1月3日
言問学舎
小田原漂情
posted by hyojo at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 言問ねこ塾長日記