言問ねこ塾長日記

言問学舎舎主・小田原漂情のブログです。

Vol.330 信州白樺湖考‐「夜の湖」に寄せて

2024年04月10日

 私ごとからはじめさせていただく。若い頃、八ヶ岳や蓼科に事業所を持つ会社でお世話になっていた。とくに蓼科にある貸別荘のフロントで社会人生活のスタートを切ったので、その年のゴールデンウィークと、翌年の正月明け、しばらくそのフロントがあるゲストハウスに滞在したのだった。2階に宿直室のような寝室のスペースがあり、屋根裏のようなそこの窓から遠くを眺めると、夜の闇の中に、白樺湖の一角が煌々とかがやいているのが見えた。印象的な光景だった。時に酒を酌みつつ、その光景を見ながら歌ったのが、昭和30年に藤山一郎先生がお歌いになった「夜の湖」(藤浦 洸作詞、古賀政男作曲)である。

 今日、その「夜の湖」を歌わせていただき、いつものようにYouTubeに投稿した。
https://www.youtube.com/watch?v=l4XYoXOYEFA 小田原漂情歌唱 夜の湖

 この歌について語る時、おのずと思い出され、口を衝いて出たのが、白樺湖がバブル崩壊後、大型ホテルの廃業で生じた廃墟などが取りざたされ、その面が変に注目されていたことだった。当地でリゾート業の社員としての人生をスタートさせ、信州を深く愛する身として、私も白樺湖が廃墟ばかりに目を向けられることには心を痛めていた。しかし昨年、ネットのニュースでだが、白樺湖一帯の観光開発の長年のリーダーである池の平ホテルの現在の社長さんが、廃墟を撤去し、白樺湖を新たに魅力あるリゾートとして再生しようと活動されていることを知り、心底うれしく思ったものだ。そこで「夜の湖」のあとの語りで、そのことを率直に語らせていただいた。

 昭和前期の流行歌を歌わせていただき、YouTubeで公開するのは、その時期の流行歌に人生を救われた者としての恩返しと、日本の文化の継承の意図のほか、言葉を正しく用い、考えを正しく述べる、「真の国語」としての活動の一端でもある。そして人生を、またかかわりのあった人々や自然、地域を大事にし、思いを語ることが、広い意味で子どもたちのため、教育の一環にもなるという信念に基づいてのことである。白樺湖に関する思いを表明することは、そのまたとない機会であると考え、一文をしたためた次第である。
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Vol.329 国語のアクティブラーニング 「真の国語」の定義を動画で発信

2024年04月01日

 2017年2月7日付の当ブログ「Vol.262 国語のアクティブラーニング‐おくればせながら今年の抱負として」に記した通り、その2年後の2019年3月から『国語のアクティブラーニング‐音読で育てる読解力』シリーズを出版して、満5年となる。当初は3年で行う計画であったところ、コロナ禍のためだいぶ時間がかかってしまったが、ようやくこのほど、そのシリーズ完結篇となる「小学2年〜4年対応3」を刊行する運びとなっている。

 冒頭に掲げたブログの時点から数えると、7年と少々かかってしまったが、「真の国語」を教える言問学舎として、これは大変大きな節目である。そこで新刊の巻頭にも掲載する予定であり、前回のブログにも記しているが、改めて、「真の国語」の定義を明らかにさせていただきたい。3月30日に動画で配信したので、そのURLをご紹介し、「真の国語」の定義の部分を文字としても掲載させていただく(以下四段落の文面は動画の内容とほぼ同一)。

https://www.youtube.com/watch?v=39_6fd4itQ4 YouTube言問学舎「真の国語とは」
 
 「真の国語」とはいかなるものか。それは端的に言えば、「正解の見つけ方を学ばせるのでなく、文章の本質を読みとる力を育み、さらに学習者自身の人間性をその本質と向き合わさせ、その上で自分の考えをまとめて表現できる力を育てること」である。

 このことと、入試で高い得点を取ることは別のことと考える人が多いようだ。しかし言問学舎では創業当初からそれを両立させ、多くの卒業生が感謝の言葉を寄せてくれている。その中の一人の言葉をご紹介させていただきたい。

 <言問学舎の真価はひと言でいうと、大学受験の勉強をしていながら、「受験勉強オンリー」ではなく、真の学力、教養が自分の身についたと感じることです。大学受験の評論文の勉強をする時でも、先生は、大学進学後の勉強を見すえて、いろいろな考え方や基礎知識も、教えてくれました。もちろん受験勉強としても、ここで国語の勉強をすれば、国語は平均して点が取れるようになるので、志望校合格を強力に後押ししてくれるようになりますよ。>

 この人は小学校時代から中学・高校を通して大学受験の高3の年まで通ってくれたから、「大学受験」について述べてくれているが、その部分はそのまま「高校受験」「中学受験」に置き換えていただくことができる。また、小学校時代から通ってくれたので、言問学舎の骨格である「音韻を正しくつかむ音読」を、みっちり実践してから中学・高校に進んでいる。その「国語の骨格」をつかんでいたことも、おそらく大きいだろう。なお、この人とは別の、この春法政大学に合格して進学する受験生は、大学入学共通テストの国語で200点中173点を取り、共通テスト利用でも日東駒専からMARCHまでかなりの合格を勝ちとることができた(進学先は法政の一般合格学科)。

 『国語のアクティブラーニング‐音読で育てる読解力 小学2年〜4年対応3』を5月中旬に刊行し、同シリーズは完結となる。当ブログ「Vol.262 国語のアクティブラーニング‐おくればせながら今年の抱負として」で掲げた目標は、7年の月日を要したが、とにもかくにも達成することとなる。さらに今後の出版計画、社としての方向性も、PRTIMES「April Dream」で発信させていただいた。
https://prtimes.jp/main/action.php?run=html&page=releasedetail&company_id=74713&release_id=13&owner=1 April Dream「真の国語」を広め、日本の良さをつらぬきたい!

 今年6月から22年目に入る言問学舎は、真の国語を教える塾としてさらなる高みをめざしてゆく。
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